第三回公演「軌道」

【あらすじ】かつて、最北の地へ向かう路線で大規模な鉄道事故が発生した。
吹雪の中、猪突猛進する列車の前方に突如現れた車掌車のランプ。迫りくる衝突の危機。
しかし、犠牲者はたった一人だった。
若き機関士・桝井茂は、回転する車輪にその身を投げ出し、自らの命を犠牲にして機関車を止め、乗組員や乗客たちの命は守られた。その勇敢な行動は、今や全国で語り継がれている。

時は流れ、茂の孫である桝井健吾は、祖父と同じ鉄道員の道を歩むことを決意する。

「おじいちゃんが見た景色かぁ…」
同棲中の彼女・美玖に、東京で鉄道員として心機一転を図った理由を語る健吾。

祖父への憧れを胸に仕事に慣れ始めた頃、健吾のもとに亡き祖母が遺した日記が届けられる。そこには、家族が長年秘めてきた茂への怒りと悲しみの真実が綴られていた。
家族の歴史と向き合いながら、健吾が辿り着く答えとは――。